【金融の世界史】が面白すぎておもわず時系列に並べてみた

ガルブレイス「人間の仕事の処分野のうちでも金融の世界くらい、歴史というものがひどく無視されるものはほとんどない

というわけで、今回は 板坂 敏彦 著「金融の世界史」という本を紹介します。2013年刊行の「金融視点で歴史を書き出した本です」

金融の世界史―バブルと戦争と株式市場―(新潮選書)

金融の世界史―バブルと戦争と株式市場―(新潮選書)

金融の世界史: バブルと戦争と株式市場 (新潮選書)

金融の世界史: バブルと戦争と株式市場 (新潮選書)

過去にベストセラーとなった「銃・病原菌・鉄」という書籍があります。

文庫 銃・病原菌・鉄 (上) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫)

文庫 銃・病原菌・鉄 (上) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫)

文庫 銃・病原菌・鉄 (下) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫)

文庫 銃・病原菌・鉄 (下) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫)

何故、アングロサクソンがいま、世界を征服しているのか。銃、病原菌、鉄の3つのキーワードと共に歴史を解き明かす新感覚の歴史本です。これを読んだことある人なら、その金融版をイメージしてください。ページ数は半分以下! ちょっとマニアックなんですが、すごく面白い。投資に興味ある人は是非読んでいただきたい一冊です。

と、ここまで書いて全然面白さ表現できてない。困った。なので勢いで、16世紀以降の金融の歴史を抜粋して時系列に並べてみました。(金融の世界史本書では紀元前から語られます。例えば石のお金の話とか)

金融の世界史 16世紀以降

金融の世界史 16世紀以降

左側に動静、右側に金融手法の開発や発見をおおよそ書き出しています。この画像に掲載されてるような出来事に関して300ページ弱に渡って延々書かれています。

上限金利の制限はハムラビ法典ですでに見て取れる
とか
貨幣よりオプション取引のほうが実は早く生まれた
とか
資本主義は、海賊キャプテン・ドレイクがチリから海賊行為をして銀を大量に持ち帰ったところから始まる
とかそういう事が延々書いています。

画像の字がすこし小さいので、いくつかに画像を切り分けて何が起こったか書いてみようと思います。書き写すとキリが無いので、簡素に書いてますが、本書ではもっとドラマチックです。

16〜17世紀の金融史

16〜17世紀の金融史 時系列
1571年 財産権の確立(ローマ)
レオパルト海戦を前に、軍人が安心して財産を家に置いて戦いに出られるよう、ローマ法により、個人の財産所有が明確に認められる。
16世紀末 初の株式会社&株式取引所設立(オランダ)
オランダで香辛料貿易のための会社「東インド会社」設立。これまでにも無限責任の団体はあったが、オランダ東インド会社は株主の責任を投資した額のみで住むよう有限責任化した。これにより、一般の人々が多く・小口で株式投資が行えるようになり東インド会社株の取引を中心とする株式会社が設立される。
1637年 チューリップ・バブル崩壊(オランダ)
チューリップ球根の売買が投機目的で加熱。1637年春、球根の受け渡しを目前にして球根価格は暴落。人類初のバブル崩壊。
1672年 英チャールズ二世デフォルト(イギリス)
英蘭戦争勃発により、英国王チャールズ2世が、軍費以外の支払いを停止。英国王チャールズ二世に投資していた富豪が多数破産する。
1688年 国債の発明(イギリス)
名誉革命によりイギリス議会誕生。同時に財源確保の為に、国債を発行。過去にも国への借金はあったが、国王への個人貸付の性質が強く、国王失脚と共に投資家が破産していた。イギリス議会は国王ではなく国が債務を負う国債を発行。そのため、この年を初の国債発行年とする。

18〜19世紀の金融史

18〜19世紀の金融史 時系列
18世紀初頭 初の資産運用記金スコティッシュ・ウィドウズ設立(イギリス)
スコットランド牧師兄弟2名が、牧師の未亡人が安心して暮らせるよう、年金に似た相互扶助団体を設立。国際分散投資により基金を運用する。
1720年 南海バブル崩壊(南海飛沫事件)(イギリス)
イギリスの国策により生まれた貿易会社。特殊な利益計上と国債引き受けが出来る仕組みにより投機化。経営陣の株式売却と共に株価は大暴落した。
1771年 初の保険組合 ロイズ誕生(イギリス)
貿易船の積み荷に対する無限責任に対応する保険として、79人の組合員によってロイズ組合が誕生
1868年 世界初の投資ファンド誕生(イギリス)
イギリス国外、植民地に分散投資する目的の投資信託「Foreign and Colonial Government Trust」がイギリスで設立。資産を第三者が管理する信託保全機能を組み込んだ、今の投資信託と同等の信託機能が生まれる。
1871年 金本位制の制式採用(西欧)
いままで各国で金兌換、銀兌換、兌換不可紙幣などがある中で、スカンジナビア諸国が一致して金本位制に移行した。
1873年 大不況(イギリス)
米南北戦争集結に伴い、成長著しかった欧州諸国の経済成長が停滞・以後20世紀前まで不況が長期化する。
1896年 ダウ工業平均株価&テクニカル投資手法誕生(アメリカ)
チャールズ・ダウがファミリーと設立した「ダウ・ジョーンズ工業平均株価」は米株式市場初の株価指数となった。また、チャールズ・ダウ自信は株価指数の日々の上下の規則性に気づき「テクニカル投資手法」を開発した。

20〜21世紀の金融史

1920年 ドイツでハイパーインフレ発生(ドイツ)
第一次世界大戦の賠償金を支払うために、多額のドイツマルクを発行しマルクが暴落。パンを買いに行くのに手押し車に紙幣を積まなければならないほど、ドイツマルクはインフレした。
1929年 ウォール街大暴落(暗黒の木曜日)-世界恐慌(世界)
第一次世界大戦後 米国が国策により過度に金融市場を緩和し、国民が総投資家となる。しかし実体経済は追いつかず株式市場は崩壊。米国最悪の暴落となり、世界恐慌へとつながった。
1944年 ブレントン・ウッズ協定の締結(世界)
第二次世界大戦後の世界金融を安定させるための会議場において、「金とドルの固定相場兌換」「各国通貨とドルの固定相場」を決定。ドルを通じて世界の通貨は金兌換制に移行した。ブレトン・ウッズ協定ではIMF(国際通貨基金)と後の世界銀行、IRBD(国際復興開発銀行)の設置も決定された。
1946年 新円切り替え・預金封鎖(日本)
第二次世界大戦で焼け野原になった日本の円は暴落。国内でのインフレを防ぐために政府は「全ての円を期日までに銀行に預け、以後新円を引き出し規制にしたがって銀行から引き出すこと。旧円はその日から使えなくなる」とした。同時に保有額から一定の財産税も最大90%徴収した。
1952年 投資ポートフォリオ選択理論発表(アメリカ)
シカゴ大学の大学生が「ポートフォリオ選択理論」論文を発表。これにより資産の分散はリスク最小以外にもリターンの最大化が行える事「効率的ポートフォリオ」の存在が確認された。
1965年 株価ランダムウォーク理論発表(アメリカ)
ユージーン・ファーマにより「株式市場のランダム・ウォーク理論」が発表。「全ての株価はランダムに推移する」として、全世界のファンドマネージャーを震撼させる。
1971年 ニクソン・ショック(世界)
金の国外流出に悩んでいたアメリカが突如「紙幣と金の交換を停止する」と発表。ブレントン・ウッズ体制の「各国通貨はドルとの固定相場によって金兌換が保証されていた」状態が無くなり、一気に世界の通貨が変動相場制へ移行。ドルは大幅に下落。
1971年 初のインデックスファンド設立(アメリカ)
米ウェルス・ファーゴ資産運用部門が年金基金600万ドルを元手に分散投資するファンドとして成ったのが始まり。76年には個人向けとしてヴァンガード社がインデックスファンドを発売開始。
1987年 ブラック・マンデー(アメリカ)
2000年 ドットコム・バブル崩壊(アメリカ)
2008年 リーマン・ショック(アメリカ)

※長くなるため省略します


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どうでしょう? 面白くないですか? 投資手法の新旧で言えばインデックス投資よりバリュー投資のほうが新しいのか。とか19世紀意外と安定してるなーとか きりんは色々発見がありました。

他にも、本書内では、戦時中の株価推移なんかも紹介してあって「金あっても物が無いから換金する人いなくて相場が安定してた」とか、そういう発見もあります。

是非第二版が出る時には付録に時系列を付けて欲しいなと思ってます。

金融の世界史―バブルと戦争と株式市場―(新潮選書)

金融の世界史―バブルと戦争と株式市場―(新潮選書)

金融の世界史: バブルと戦争と株式市場 (新潮選書)

金融の世界史: バブルと戦争と株式市場 (新潮選書)

↓こちらの本は本題は貨幣や資本主義の未来の形に疑問を投げかけるのがメインテーマですが、その実メインコンテンツ、文章の大部分が中世から現代までの中央銀行と金利と物価コントロール、債券などを時系列に解説した本です。市場や経済より中央銀行寄りの内容。こちらは時系列になっているので、歴史の教科書のようでこちらも楽しく読めます。

貨幣進化論―「成長なき時代」の通貨システム (新潮選書)

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