最近の大学生は就活前に休学して借金した金で世界一周に行くみたいな話

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旅行好きなので、旅行関係の記事やサイトは頻繁に見る。そんな中

大学4年生です! 休学して世界一周に行ってきます!

みたいな話が最近目につくな、と思って学生の留学や旅行事情がどうなってんのか自由研究してみることにした。

若者は大人が思っているより海外に行きたいらしい

若者が海外に出なくなった。バックパッカーのメッカ、バンコクのカオサンロードから日本人が消えて久しい。みたいな話を良く耳にする。

しかし、日本旅行業協会が公表している「日本人の海外渡航者数」を見てみると、日本の海外渡航者数は不況であえぎながら、LCCその他の効果で徐々に増えている

データは2014年まで(海外旅行費用という表記はミスなので無視してOK。出国数推移)

とはいえこれは日本人全員の話なので、若者の海外志向として文部科学省の留学生数推移データを見てみよう。

こちらはピークアウトしている。いったん00年代にピークをつけたあと、2011年に底を打っているように見える。なだらかなカーブを描いて2012年に上昇をしているので、ここから大きく下がるということはないだろうけど。

文科省あたりは国外と比較して海外に出る若者が減っていると言っているが、その実、少子化による強力なブレーキと長く続いた不況による資金的なものの影響が大きく、若者の海外嗜好というのは以外と落ちてないようだ。

その証拠に、交換留学に関して言えば費用負担が少ないためその人数は減っていないらしい。

逆にアメリカへの留学生がかなり減っている。これは授業料高騰と長期の不況がかなり影響しているように思う。

休学する大学生の増加

おもしろ統計をいっぱい公開している事で有名な舞田敏彦先生の「大学生の休学」記事を参考にしよう。大学生の休学者数比率グラフを以下に引用しておく。

最後のあたいは9.7‰だ。およお300万人の大学生に対して3万人弱なのでおよそ1%の学生が休学していることになる。

文科省はこの後も最新のデータを公表しており、直近の年(2015年?)で休学者の比率が全体の1.2%になる。

舞田先生も記事中で指摘しているとおり、大学4年生の休学比率がもっとも高い

健康による休学比率は時代でそう変わらなそうなので、「モラトリアム期間を少し伸ばしたいと思って休学」もう少し好意的に言えば「行く道に迷って休学」しているケースか、その他人間的な問題の広がりか、金銭的に困窮している人が増えているか、と見ていいだろう。

もう1つ。まだ昭和の親より平成の親のほうが金銭的に余裕があり、子供が休学していても耐えられるという可能性も頭に入れておきたい。

就活前に休学して世界一周

ここからはデータではなくてネット上で散見された情報、世界一周をした大学生たちの話なので話半分で聞いてもらいたい。

表題のような事例は探せばいくらでもある。こちらの人は4年次に休学して世界一周旅行に出た。就活直前だったようだ。この彼なんかは3年次で休学して「世界の教育を知らなければ先生にはなれない」と世界を一周したそうだ。ほかにも彼は2年の後期で休学して世界一周へという子もいた。彼は流されたくないという理由で旅に出た。男子ばかり紹介したが女子ももちろんいくらも見つかる。

「大学を休学してやりたいことをやる」というのはかなり普通なことになってきているようだ。海外でもギャップイヤーという言葉がある。まあ大体卒業して大学院に行くか就職する前を指して「ギャップイヤー」というんだけど、日本の新卒優遇の事情を見ると、日本の学生が休学して旅行に出かける気持ちがわからなくもない。

借金して世界一周

こちらも例が多い。

【資金集めでもう悩まない!?】世界一周した6人に聞く旅資金の集め方という記事では6人の大学生のうち4人が親からの借金と自己資金で世界一周旅行を在学中に実現している。それ以外にも奨学金を節約して世界一周の費用にまわす学生もいた。

だいたい親の援助と自己資金半々で資金を調達し、合計150万〜200万円くらい持って出かけるのがスタンダードのようだ。

もちろん彼女みたいに全額自己資金で行く人も結構いる。ほかに十例くらいネットをあたってみたが、観測範囲内では完全自己資金はだいたい3〜4割のようだ。

留学の代替えとしての世界1週旅行?

事例やらデータは読んだ人が好きに解釈すればいいと思う。

ただ、学生の声からの端々から「働くって事がほんとうによくわからない」と考えている感触を個人的に覚えた。代償行為とか、自分を補完するための世界一周旅行という事なんだろうか。

海外旅行がキャリアの糧になるかも私は良くわからない。それが遊びなのか学びなのか私は境遇が違いすぎて判別が付かない。

ともかく、一種のブームのように大学生たちの間で「世界一周」がいま流行っている感がある。

もちろんネットや空路の整備により、情報・金銭の両方で行きやすくなったのは第一の理由だと思う。

はたまたTABIPPOみたいな若者を世界一周させようという団体に関係しているのかもしれない(実際TABIPPOきっかけで世界一周旅行に出た人をネットで見かけた)。

まったく違った視点で、親たちが留学費用負担に耐えられない代わりに、旅行費用を援助して世界一周旅行に子供を送り出すという選択をしているのかもしれない。はたまた親たちも子供がどうしたら幸せになれるのか悩んでいる結果かもしれない。

でもまあ、「昔より今の大学生のほうが将来を迷っている」のは確かなんじゃないかなと思う。

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