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美術館での絵の見方 サルでも分かる美術鑑賞

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私は旅行に行くので、近所や旅先の美術館によく行きます。しかし、繰り返し行くうちに「どうやって見たら良い」のかわからなくなりました。そんな時ちょうど、絵画教室の先生と知り合いになる機会があり、思い切って、その質問をぶつける事にしました。どうやって絵を見たらいいの

先生から教わったスッキリする絵の見方を、今日は共有します。

Q.一言で、絵はどう見ればいいのですか?

A.うん。じゃまず、絵と写真の違いを整理しよう。風景を留める方法として、ほぼ完全な方法として、写真撮影がある。しかし、なぜ今の時代も絵を描く人がいるのか。これは「写真に映らないものを表現したい」からだ

画家は、自分を通して見える世界を描こうとしている。

画家は、目で見たものに加えて、匂いや、空気感や、感情を足して、絵という方法でアウトプットしようとしている。

だから、絵を見る方法としての入り口は「この画家は、実際の風景を、画家というフィルターを通して、どう歪めようとしているか」探ることだ。ここで、ゴッホの絵を見てみよう。「桑の木」という作品だ。

The Mulberry Tree Vincent Willem van Gogh

どうだろう? 実物の桑の木と似ているだろうか? しかし、ゴッホというフィルターを通して見た世界はこうなのだ。何故ゴッホにはそう見えたのだろうか? この差に気づき、頭にハテナが浮かぶと、絵画鑑賞はとたんに面白くなるよ。

Q.良い絵と悪い絵はどうやって見分ければ良いですか?

A.絵画鑑賞者にとっての良い絵。それは2つの評価基準がある。「画家のフィルターと自分のフィルターが似ているか」「画家のアウトプット能力」だ。順に説明しよう。

ひとつ目「フィルターが似ているか」言い換えれば、絵を通した、彼の意見である。絵にあなたが同意できるか。多くの画家は自分の作品に言葉にならない感情をのせて、絵という形に留める。絵を通して鑑賞者に自分の心を気づいてほしいわけだ。君が、彼の心に同意できれば、それは良い絵だ。

ふたつ目「画家のアウトプット能力」世の中には言葉で言い表せれないものが五万とある。君の頭の中にだって言葉にならない考えが五万とあるだろう。人間は思考の数パーセントしか言語化できないという話もあるくらいだ。

だが、言語の不自由さを絵画は飛び越える事ができる。もし、画家が言語を越えて感情や空気を絵として表現する事ができたら、それは良い絵だと私は思う。

そうやって考えると、戦争の悲惨さをキャンバス一枚で表現しきった、ピカソのゲルニカが何故すごいのか、理解できるだろうか。

Q.抽象芸術はどう見ればいいですか?

A.正直なところ、美術に感心が無い人には難しいカテゴリーだ。なぜなら「美」を始めとした「形が無いもの」を表現するためのだけに先鋭化した絵画だ。表現技能の見本市のような作品が多い。プロ向けと言ってしまえば誤解を招くが、そういう印象で考えれば良い。

入り口として僕が思うのは、まず、美術館で見る事。作品集やインターネットで見るのではなく。量感や質感を自分で感じなければわからないものが、このジャンルには多い。作品集で見て大したことないと思って、実際に行くとバカみたいに巨大なキャンバスに壮絶ともいえるタッチで描かれていて衝撃をうける、というものは、ある。

抽象芸術や現代アートコーナーで衝撃を受けた作品があれば、家に帰ってその画家の活動を調べてみるといい。何か新しい発見があるかもしれない。

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というわけで

  • 画家=フィルターという視点で絵を見る
  • フィルターの好き嫌い・良し悪しを見る
  • 抽象芸術は無理に見なくて良い

と、サルにもわかりやすく、先生は教えてくれました。また、絵画鑑賞初心者は、ルネッサンスでも印象派でも、見て理解できるものから順に見れば良いという事もおっしゃっていました。

今回の美術の先生。若いころは日展などの展覧会で賞をもらったりするほどの実力派だったんですが、今は地元で美術教室をしています。学生を中心に若手の育成の楽しさに目覚めて転身されたとの事でした。高橋がなりみたいな風貌のイケてるおじさんです。

ぜひこの週末は美術館賞を!

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