評価経済社会論(岡田斗司夫)も ちきりんも死んでねーよ

とかくインターネットはオワコンを作りたがります。

例えば岡田斗司夫氏の論ずる評価経済社会論。これは彼の個人的なひどい行いで死に体になりました。今やこれを真正面から論ずる事自体、勇気がいるものになった気がします。

僕たちは就職しなくてもいいのかもしれない 電子版

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ホリエモンとオタキングが、カネに執着するおまえの生き方を変えてやる!

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評価経済社会論で賛同が多かった部分。それは物質主義に対する閉塞感と、低経済成長によって金銭を獲得できない事が相まって、別の拠り所を求めようという着想が評価されていたように思います。評価の根っこはミニマリストとかアドラー心理学とか、坊さんのありがたい話とおなじところです。

嫌われる勇気

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氏の愛人問題と評価された部分は関係無いのですが、論説は死んだような扱いになっています。

ちきりんもここ1年くらい拒否反応に近い反論が多く見受けられます。叩いておけば良いという風潮を感じます。

ハンドル名が近いから擁護するわけではないですが、氏は常識と考えられている物事に独自の視点を持ち込む、というのが評価されていました。「その発想は無かったわ!」みたいなところが評価されていました。

自分のアタマで考えよう

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マーケット感覚を身につけよう

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その後、読者の幅が広がるにつれて、1つ1つの意見に対する正確性や実現可能性が意見されるようになりました。昨今のネットのコンテンツ拡散力も、1記事の正確性が追求されるのを後押ししています。勿論そこに強みはありません。これがケチのつき初めでした。

インターネットは同調圧力を増幅します。サイバーカスケードやリスキーシフト、集団極性化などと言われいますが、掲示板やはてなブックマークを、多数派が意見を塗りつぶすのが常です。このあたり「息苦しい世の中論」と通じるものを感じます。

氏の切り口は何も変わっていませんが、同調圧力によって、輝きが新しい読者に届かなくなりつつあります。

ちきりんは読者層を「受け取れる人だけ」にコントロールしたいと言っていましたが、そこは叶わなかったようです。

両者とも理由は異なりますが、良いとされていた部分とは関係無い事が理由で、昔ほどの輝きを放たなくなったように見えます。

しかし、これはもちろん錯覚です。

そもそも「良い」「悪い」どちらに関わらず話題にされている物事は注目に値します。大きな渦を作っている人はそれだけで注目すべきです。

コンテンツ消費という一言で考えれば、オワコンで片付けるなり罵詈雑言を浴びせるなりすれば良いでしょう。しかし、そこから何かを得ようとするならば、一旦足を止めて「彼らがやっていることは何か、言っている本質は何か、本人の直接・間接的メリットは、ポジションは、社会的背景は」を注視すべきです。また「何がオーディエンスを集め感情を高めているのか」じっくりと見極めるべきです。

人が集まっている、集まっていたというのは、何か特別な事が起こっているという事と同義です。

まったく主義主張に同意できなくても、そこには必ず意味があります。最悪でも反面教師になります。

読書に慣れていない人は、本に書いてある内容を一字一句読み込んで、全てを正確な情報だと考えたり、主張の一部を受け入れられないからといって読むのをやめたり、批判する事があります。それと同じです。

文章というのは常に読み手が9割です。書いてある事をヒントに、自分のこれまでの蓄積、知識の残滓と何か化学反応が起こらないか、自分の人生に使えそうな物が無いかを探す宝探しのようなものです。

気に入らない一文に出会うと、そこを批判せずにはいられない人は、文章との付き合い方を大きく誤っています。相手の意見が正しいか、ではなく常に自分に使えるものは無いか、を考えるべきです。

文章を読んだ結果「同意」の2文字しか残らない文章のほうがむしろゴミです。同意と単純批判、これらはほとんどの場合、自身の精神安定のために行われる行為です。どちらも自分の認知を、意見を変えないために行われます。自分が間違っていないことを確認したいだけにすぎません。

しかし、これは間違いです。単純消費を目的としていなければ、文章は自分の認知を変える為に、変わることを望んで読むべきです。

最後にもう1度繰り返しますが、一度評価された論説はそう簡単に捨てるべきではありません。そこには必ず何かがあります。

むしろ、捨てられたように見える時こそ、文章を冷静に、使えるものだけを自分に取り込める良いチャンスとすら言えるでしょう。だれも目に留めなかった宝物をあなただけが手にする事になるかもしれません。

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